外科的矯正治療
外科的矯正治療について

外科的矯正治療とは
外科的矯正治療は、上下顎の骨格的な不調和が著しく、通常の矯正歯科治療のみでは良好なかみ合わせの確立や顔貌の改善が困難な症例に対し、矯正歯科治療と顎の骨の外科手術を併用して改善を図る治療方法です。
一般的な矯正歯科治療が自費治療であるのに対し、外科的矯正治療では、手術費用だけでなく矯正歯科治療の費用にも健康保険が適用されます。
この治療は、患者のかみ合わせの改善による咀嚼能率の向上だけでなく、 顔貌の審美的変化に伴う心理社会的QOL(生活の質)の向上や、気道スペースの拡大による睡眠呼吸障害の改善に寄与することが、研究により示されています。
当院では、デジタルシミュレーションを用いた精密な手術前計画により、予測性の高い骨格的安定性を得ることが可能となっています。
外科的矯正治療の5ステップ
検査と診断(1〜2か月)
まずはレントゲンや歯の型取りなどの検査を行い、かみ合わせの問題や顎のズレの程度を確認します。
これにより「顎変形症」と診断され、顎の骨の手術が必要と判断された場合、保険適用の対象となります。
術前矯正(1〜2年)
手術後に上下の歯が良いバランスで噛み合うように、マルチブラケット装置を用いて、あらかじめ歯並びを整える期間です。
この時期は一時的に「受け口」や「出っ歯」が強調されるように見えることがありますが、これは手術で骨を動かした時に良好な噛み合わせを確立するための、大切な準備期間です。
- 入院と手術(7〜10日)
いよいよ提携する口腔外科で顎の骨の手術を行います。
上下の顎の骨を手術することが多いですが、下顎の骨のみ手術する場合もあります。手術後の腫れや痛みは、術後3日ほどがピークで、およそ1か月でかなり落ち着きます。
術後矯正(半年〜1年)
術後矯正は、手術によって改善された上下顎の骨格的な位置関係に基づき、最終的な緊密で安定した咬み合わせを完成させる重要なステップです。
保定期間(2年〜)
良好なかみ合わせが確立され、マルチブラケット装置が外れた後は、後戻りを防ぐためのリテーナー(保定装置)を使用しながら、経過観察を行います。